『 柔らかく からだを使えば
転ばない ケガしない 』
高齢者の転倒予防のポイントは
『普段から、「からだを柔らかく」使うこと』
高齢者になるとイザという時
まさに、手足が出なくなる
これが転倒の原因の一つ
と私は考えています
先日、高齢者向けの「健康体操』の依頼があり
地元、横浜市内の地域ケアプラザにて
『転倒予防のための からだの使い方』
の講義をやらしていただきました
雨の中、わざわざお越しいただき満席となりました
ありがたい!
講義では
身体を動かしながら
『からだの使い方』の話をさせていただきました
以前、私は偶然目撃してしまった。
70歳前後と思われる女性が
自電車に乗っていて
手も足も出せず
そのまま横に転倒したのを
その時目撃してしまった
何かにぶつかりそうになった女性が
「危ない!」
と言った瞬間の
体が強張るのを
そこで
手が出たり
足が出たり
コロンと転がることができれば
結果は違っていたでしょう
なぜ手足が出なかったのか?
普段からからだを固めることを習慣としてしまっていると
何か想定外のことが起こると
いつもの習慣的反応(動作)が出てします
ここではからだを緊張させること
強い刺激やストレスになればなるほど
習慣的反応(からだを緊張させる)は表に出てくる
からだを硬らせないようにするには
普段から筋肉・関節を始め
からだ全部が
「柔らかい」
と思ってからだを使っていることが大事
83歳の女性、転んでも無傷
私のアレクサンダーの最高齢の生徒さんは、83歳の女性になります
その患者さんは、誤って何かビニールのようなものを踏んでしまい
転んでしまいました
さて、どうなっただろうか・・・
以前、転んだ際に手をついて肩を痛めてしまったことがあります
その後3ヶ月も腕が上がらない状態だったことがあり
それ以降、非常に気をつけていたつもりでした
しかし、やはり思いもよらないアクシデントは起こるものです。
もっとも若い人だって、何かにつまずいたり、引っかかってしまったら
転んでしまいます。いくら気をつけても避けられないものもありますよね。
さて、転倒してしまった83歳の女性はというと
なんと!転んでも無傷だったのです
ご本人が一番驚いていたのですが
僕もびっくりです!!
ご本人曰く
膝をスッと曲げ
手をつきながら
コロンと受け身が取れたそうです
柔らかいイメージが大事
講習では
①「柔らかい」とはどのようなイメージなのか
②関節がどこにあるのか
を少し時間かけてお伝えしました。
柔らかいイメージ
柔らかいってどんな感じ?
普段、無意識に身体を固めている方が
その逆の、緊張をほぐすように柔らかいイメージをすることは
簡単ではない
だからと言って、あまり難しく考えないでほしい
僕がお勧めするイメージは
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握って、ふわった元に戻るあの感じだ
柔らかく、広がる感じが良い
身体に触れ、その部分が柔らかいと思ってみる
すると少し緊張が和らぐ
少しで十分である
もしかしたら特に緊張具合は変わらないかもしれない
それでもOKです
身体に触れ
からだを意識する(イメージを送る)
それだけでいい
逆に最初はそれくらいが良い
できるだけからだ全部に触れ
イメージを送る
関節の位置を把握する
身体の中で大きく動く部分が関節です
関節がしっかり動くことで
筋肉も動き、柔軟性も上がる
関節も触り、動きを確認する
身体のどのあたりが曲がるかを感覚的に知っておくと
曲げようと思った時に意識しやすい
逆に、関節の位置がわからないことによって
曲げることを忘れられてしまって
ただただ衰えていく悲しい関節になってしまう
身体は
柔らかく、いろいろな方向に動くもの
講習では特に大事な部位の「動き」にフォーカス
①背骨の動きと
②足の動き
①背骨の動き
背骨は自由に動けてますか?
図を見てみましょう
背骨は大きく分けて3つの動きができます
1、前後に曲がる(反る)(屈曲ー伸展)
2、左右に曲がる(側屈)
3、捻れる(回旋)
(4、解離:背骨一個一個が離れる)
✴︎4はちょっとむずかいしいので、大事だが外しました
背骨は、風に揺らぐ柳のように
色々な方向に大きく動くことができる
みなさん動かせてますか?
体操やヨガなどで意識的に動かすことも良いですが
「背骨はいろいろな方向に動くことができる」
そのイメージは、背骨の自由を与える
「動ける」と意識し
そのイメージで立ったり歩いたりしてみましょう。
背骨を自由さをうまく引き出すことができれば
それだけで姿勢が良くなり
体幹部に余裕が生まれます
大きな動きではなくイメージが大事
股関節–膝ー足首の連動
特に背骨の次に大事な足の動きも確認しました
ポイントは
股関節−膝–足首の動きが連動しているること
どの部分が、どの方向にいくかを理解しておくと
身体のバランスが良いまま動くことができます
足の赤い矢印を見てください
股関節(骨盤)は後ろに
膝は前に
矢印が向かっています
この方向性を意識することで
足全体の動きのバランスが良くなり
柔らかくい状態であるいることが可能になります。
立つ・座る・歩く時などに少し意識してみましょう
動きの滑らかさに変化が出るでしょう
ここで、参加者の反応として多かったのが
「普段、膝が曲がることを意識していなかった」
頭から遠い場所になる足は
思いのほかその存在や機能を忘れられてしまっている
痛みでも出ない限り
なので普段から触れてあげて
摩るくらいだけで良いのでマッサージしてあげましょう
からだを労ると、いつもより良い働きをしてくれます
身体にポジティブなイメージを
トシだから
元々硬いから・・・
と悪いイメージでいると
身体は悪い方向に流されています
身体に良いイメージを持つことで
柔らかさが生まれます
さてさて、みなさんだんだん体と気持ちが
柔らかくなってきてませんか?
とにかく身体のために
柔らかいイメージ
がためになります
身体に触れ、身体を意識してあげましょう!!
講習の終わりに行ったアンケートでは
全員が「ためになった」にチェック✅をいただきました
ありがとうございます!
こんなコメントいただきました
「力を抜くことが意外と新鮮だった」
「いつもより体が軽く動けた」
「力を抜いたのに姿勢が良くなった気がする」
1回きりの講習なので残念です。
でいれば継続して皆さんにお伝えしたかった
ここまで読んでいただきありがとうございます
ここから先は、転倒予防に関するいくつかの情報をあげておきます
興味のある方はぜひ続きも
転びやすい人の重心は「後ろ」と「下」
良いバランスでいることが転倒予防での大事なポイントとなるが
高齢者が体が悪くなりやすい特徴として
腰・背中が丸くなります
ただ丸くなるのではなく、重心が後ろに残り
しかも落ちる(下方)に向いてしまうところに問題があります
とはいえ高齢者になってから
真っ直ぐで伸びやかな背骨は
残念ながら、もう戻りません
背骨が潰れたり癒着していて
伸ばそうをしすぎると
余計な緊張が生まれ
硬くなり
かえって痛みの原因になりかねない
やってほしいことは
①背骨と柔らかいイメージする
②股関節がいつでも動く状態(自由)にする
この2点だけでも姿勢の悪さをカバーし
バランスの改善・転倒の予防ができます
高齢者が転倒してしまう主な原因は
・薬の副作用
・疾患の影響
・身体的衰え(老化) (筋力・柔軟性・バランス力の低下)
なので高齢者に運動やリハビリが推奨され
公園などでウォーキングしていたり
体操している高齢者が多いわけです
高齢者になると年に一回以上、転倒してしまう、と言われています
施設に入っている方になると、その回数はもっと上がります
転倒の際に骨折したり、痛みが残ったり、その後の生活に
支障をきたすケースが多く
医療・介護の方全員が非常に気をつけている点です
特に骨折により、その後の生活がガラッと変わってしまうケースも
寝たきりになったり
転倒をきっかけに身体が弱くなり
死亡の間接的原因にもなりかねないのです
転倒した際に起こるケガは主に
・大腿骨頸部骨折:足の付け根、股関節につながる太腿の骨の付け根あたりが骨折
・腰椎圧迫骨折:尻もちをついた際に腰の骨が圧迫されることで起こる骨折
・橈骨遠位端骨折(手首の骨折):手をついくことによって骨折しやすい
・上腕骨近端骨折(肩の骨折):手が出ずに肩を直接打つ、または手や肘をつくことによる
骨折
特に、大腿骨頸部骨折と腰椎圧迫骨折はしばらく寝たきりになってしまい
身体の衰えとともに、認知症になりやすくなります。
高齢になればなるほど、回復力が落ちますが
確かな回復を待って
できるだけ早く、的確なリハビリが必要です
実際、僕の患者さんも転倒の際に股関節や腰椎を骨折してしまい
しばらく、人によっては半年以上リハビリを継続したりします
そして、回復しても転倒予防として運動は継続してもらってます
以前、89歳の男性がお庭で転倒してしまい
胸椎10番を圧迫骨折してしまいました
その際は約1ヶ月の間、ほぼ寝たきり
歩けるようになるまで3ヶ月
外を歩くまでは約半年かかりました
リハビリを頑張れば、年齢問わず
回復は見込めるでしょう
しかし、高齢になればなるほど
回復に時間がかかってしまうのは否めません
できるだけ転ばないように
日頃から
身体へは、柔らかい意識とともに
ポジティブな気持ちで
日常の動作を楽しんでもらいたいです!!
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