スキップしてメイン コンテンツに移動

妊婦さんのための身体の使い方 3  呼吸

⬛️ 胎児と子宮が楽に大きくなる環境を作る 『 呼 吸 』




出産間近になると、お腹周辺や骨盤は

「えっ?こんなに大きくなるものなんだ!」

と驚くほど、大きくなる。というか、伸びるんですね、身体が。

筋肉・関節をはじめ、ほとんどの身体の組織は柔軟性・伸縮性を持っています。

身体の隅々が、少しづつ少しづつ伸びていくのでしょう。

普段、身体を触る仕事をしてるのに想像のかなり上をいく身体のポテンシャル。

正直、感動すら覚えます。

またすごいことに

出産後、(ある程度)身体は戻る。

女優さんや歌手になると、驚くほど出産の雰囲気を残さない

完璧な状態に戻りますね。

しっかり産後のトレーニングをしたのでしょう。



女性が、男性よりも関節や筋肉も柔らかいのは

出産のためなのかと考えてしまいます。

しかし、習慣的に、身体を緊張させていたり

動かせていなかったりすると

柔軟性が低下します。

伸びることによって生まれる余裕(スペース)=胎児のスペースですから

硬く窮屈な状態のままだと

胎児は「狭いよ〜窮屈だよ〜と言っているかもしれません」

成長し大きくなってくる胎児にとって、そして母親の身体にとっても

これはストレスになりかねません。

なので、大きくなってくる身体の”伸びしろ”を維持するために

柔軟性が大事になってます。

では、どんなことをすると良いのか?

僕がお勧めしている『呼吸』です。


緊張を減らし、柔軟性を維持するために

運動にヨガやストレッチなどが効果があると思いますが

特に、妊娠後期では無理なエクササイズはできなくなります。



呼吸のおすすめする理由

1、自然の動きであり、身体に負担が少ない

2、内側から緊張を解放してくれる

3、姿勢の改善にも役立つ

4、同じ方向に、広がる
 (成長によっての広がる方向と、呼吸による広がりが方向が同じ)

5、骨盤も柔軟になり出産もラクに



身体の内側から、

体幹部全体をマッサージしてくれるような連続した波であり

ダイナミックな動きが起こるのが

自然の呼吸です。

お腹・体幹部全体、そして骨盤などの柔らかさと可動性を取り戻すことができ

さらには、姿勢改善にも役立つ優れもの。




自然の呼吸とは


呼吸は、息を吸って、吐くと思っていませんか?


実は、呼(吐く)・吸なのです。

つまり、吐いて、吸う、のが呼吸です

しっかり息を吐くと、吐いた分だけ自然と吸うことができるようになります。

多くの方が頑張って吸おうとして

肩をあげたり

首を短くしたり

背中を反てしまったり

など、無駄な緊張がおこってしまいがちです。


横隔膜で広げれられた肋骨は拡張していきます。

その際の吸引力によって、酸素が肺に流れ込んできます。

肋骨はさらに広がり肋骨全体が拡張します。

お腹(みぞおち)だけではなく、

背中に脇腹

胸に首の付けのあたりにも広がりが伝わってきます。

また横隔膜は下にも広がります。

隔膜のすぐ下には

胃・肝臓・十二指腸などの内臓があり

それらの内臓は横隔膜の動きによって

下に押し下げられます。

波紋のように広がる、動きは

常にマッサージを受けているような状態になります

内臓の活性化につながり、内臓機能の回復、例えば、食欲不振やお通じなど

の改善も見込めます。

さらに波紋は下まで伝わり、骨盤の底まで伝わります。

骨盤底筋群です。

肛門で呼吸をするように、なんて表現をする方もいらっしゃるくらいです。

実際に、骨盤内・校門まで酸素は届くことはないですが

動きが伝わってきます。

それによって。骨盤の柔軟性・弾力が改善します。

出産時には胎児が通るために非常に広がらなくてはいけない骨盤ですから

柔軟性を保っておくのは非常に大事なことになります。

さらにさらに、背骨も伸びやかになるので姿勢も良くなる方向になります



吐いて吸ってのダイナミックな動きは、

潮の満ち引きのように、私たちの命が続く限り

連続して起こります。

その動きは少しずつですが、関連する筋肉や関節を動かします。

一回の呼吸では効果はなくても、連続して行うことで

徐々にその効果が発揮され、緊張の緩和に繋がります。


例えば、猫背で固まった背中でも、自然な呼吸を思い出し

背中にも息が入る(動きがある)ようにするだけで

姿勢が悪かったとしても、緊張がほぐれてきます。


深い呼吸は心も落ち着きます。


とにかく、非常にダイナミックな動きが起こる自然な呼吸を

普段から意識してみましょう。


  基本の呼吸に関しては、こちらもご覧ください


  コチラにある動画です。

  呼吸の際の横隔膜・内臓・肋骨・背骨・骨盤などの

  動きをイメージでして頂きたい。

  


呼吸に伴う、身体の内側のダイナミックな動きは

私たちが元々持ち合わせている自然な動きです。

「動く」ものだと思って身体を意識してもらえれば、

身体は反応してくれるます。


皆さんに気をつけて頂きたいことは

「姿勢」を整えるのも、「呼吸」をするにしても大事なことは

『頑張らない』

人の身体は、頑張ればがんばるほど、余計な緊張が生まれます。

その緊張は、身体の柔軟性・伸縮性を減少させ

本来起こるはずの微細な動きを制限します。

今回は、細かい姿勢の整え方に関して記述しませんが

アドバイスとしては、

お腹の赤ちゃんの体動をに耳を傾けるように、

静かに、意識を身体の内側に向けてみましょう。

姿勢であれ、呼吸であれ、身体の内側から起こる動きから始まります。

呼吸によって、徐々に動きの広がりを感じ

さらにその動きが上下にもなり、

背骨の伸びやかさを促し、

無理なく、緊張を解放してくれます。


構造的な動きを意識することも大事ですが、

アレクサンダーのレッスンにて、本当に良い呼吸だと思える時は

自然と呼吸が入ってきて、

身体全体が緩んで、

そして、

広がる。

この反応が起こり易いのは、

実は、呼吸を意識した時ではなく、

身体の他の部分が広がった時に起こり易い。

そして一番効果的なのは、

首のハンズオンをして

プライマリーコントロール を意識した時です。

なので、ワークショップで頑張って呼吸の構造的な理想を伝えても

結局、ハンズオンした方が、体験としてわかり易いし、早いんですね。


というわけで、だから「頑張らない」ことが大事なんですね。

リラックスできた時に起こる自然な呼吸を目指して、

頑張らないで、頑張ってください。










コメント

このブログの人気の投稿

移転のお知らせ

  突然ですが Studio Appirection 神楽坂は 移転のため 9月末まで営業となりました 約7年程でしたが 多くの方にアレクサンダーテクニークを知って頂き 身体の使い方に興味を持っていただいたことを とても感謝しています。 マッサージや整体など 人に頼らずとも 自分自身で身体を良くすることが できることを伝えたいという気持ちで 始めたアレクサンダーテクニークの 最初のスタジオでした 実際に身体が変わっていくその変化や 毎日が楽になっていく生徒さんを観察することができ 多くの学びがありました 身体はどんどん良くなっていく様子や 姿勢が良くなり 考え方・性格も柔らかくなり 大袈裟に言うと 生き方まで 変わることができる可能性を アレクサンダーテクニークと 通っていただいた生徒さんが 教えてくれました とてもとても感謝しています。 人生がより良くなる 毎日の身体の使い方を これからもお伝えしていくという 強い思いを持ちつつ ひとまず 第一章の神楽坂編は幕となります。 第二章は 移転先からなのですが 行き先はというと アメリカ・カリフォルニア となります ちょっと遠いですよね・・・ アメリカでは 師匠である ギオラ・ピンカス ボブ・ブリトン に学びを請うとともに また広くさまざまな角度から ATの学びとなることに挑戦していき 将来 日本にもっとアレクサンダーテクニークが浸透するよう 助力していきたいと考えています。 挑戦といえば 何かオンラインで発信したいとも考えています ・身体の使い方 ・カリフォルニアの田舎生活 ・アメリカ事情 などなど 引き続き マイペースに 発信していきますので どうぞよろしくお願いします Yoshi Sugiyama

アレクサンダーテクニーク と 合気道 

私の最初のATレッスンをしてくれたマット先生の、 ATを習い始めたきっかけを 今でも覚えている。 合気道の師範をされていたお父さんが良いからと 勧めてくれたからだとおっしゃっていた。 合気道や剣道、その他武道をされている生徒さんとのレッスンの中での 武道における身体の使い方と、アレクサンダーテクニークのそれとの共通点が 非常に多くとても気になっていた。 せっかく日本にいるのだから、日本古来から継承されている武道における 身体の使い方を学びたいと徐々に思うようになり 8月より新しい学び「合気道」を始めました。 特に学びたい点は、「強さ」と「丹田」 まず、筋力に頼らない、身体の使い方による「強さ」を学びたい。 武道は対人であり、自分のことだけでなく相手も意識しなければならない。 合気道の場合で言うと、組手でしょうか 相手からの力の方向や、押さえ込む際の体のつながりやバランスなどを 感じながら、型を崩さないよう動く。 それはまさに、自分らしくある。と捉え方ができると思う。 相手に流されず、自分の力を十分発揮する。 この場合の自分らしさは、強さを引き出す最良の状態を保つ体の使い方とでも 言いましょうか。 武道だと型ですが、スポーツや楽器の演奏でいうと基礎練習。 始めて約2ヶ月の私は、基礎練習真っ只中。(週1では足りない・・・) その型の練習がとっても楽しい! 全身のつながり、動きのつながり、バランス、さまざまな要素を考え・感じながらの時間は 自分とじっくり向き合うことができる充実した時間になっています。 師範の動きを見ると、型の重要性がよく分かるので、 今のうちにしっかり体に叩き込んでおきたい。 そしてもう一つは「丹田」。 アレクサンダーではあまり下腹部の感覚にはふれない。 日本人ならほとんどが知っている丹田という下腹部の力は 動きや姿勢で重要視されている。 ただ、ほとんどの人がわかっていない。 正直に言うと、私も正確な感覚は分かっていないので ここでちょっとはっきりさせておきたい、と言う気持ちです。 合気道での気づきがすでにいっぱい。 またアップします!!

カリフォルニアの田舎生活はじまる

こんにちは。 今回からアメリカ、カリフォルニアの田舎からお届けします。 2024年、10月13日に無事アメリカに到着し 慣れない場所での 新たな生活を 壁にぶち当たりいながらも 少しづつ前進しています 9月末に神楽坂・横浜での仕事を完全に閉め 10月11日に引越し手続きを完了し 10月13日に羽田を経ち 同日にロサンゼルス空港を経由して サクラメント Sacrament 空港に到着 友人がピックアップしてくれ そこから車で1時間かけ ネヴァダシティーNevada Cityの 友人宅にしばらくステイした後 現在 写真の自然に囲まれた家に住んでいます と、ざっと移動の工程を書きましたが いやぁ〜〜〜ほんとに大変でした 引越し!! 家族4人で7年も住んでると こんなにも物があるのかと驚き 収納の奥から 出るわ出るわ 荷物の仕分け・処分・梱包などが 永遠に終わらないのではと思うくらい ひたすら荷物と戦っていました。 最終的に 断捨離力 が格段に上がったように思えました アメリカで生活が始まり まー田舎といっても普通にお店はあるので ない物は買えばなんとかなるだろうの精神でしたが やっぱり日本のものはなんか 気が利いててね 持って来れば良かったと 後悔の場面がちらほら・・・ 渡米して1ヶ月が経ちまして すでに色々ありました まだ仕事も始められていない状況ですが それでもなんとかやっています という報告でした これからしばらくは 身体のことより 田舎生活に関してブログになってしまいそうですが ご了承ください