スキップしてメイン コンテンツに移動

妊婦さんのための『身体の使い方』 ー 身体の奇跡を楽しもう ー


《 妊婦さんのための『身体の使い方』 》


私事ですが

4月の後半に次女が生まれました。

現在、元気にスクスクと成長中。

徐々に身体がムチムチしてきて触り心地が良くなり、

「あ〜〜う〜〜」言ってみたり

たまに見せる笑顔(なのかただの表情の変化か)に

ついつい嬉しくなってしまいます。

この時期にしか楽しめない喜びを噛み締めている現在であります。


二人目の出産となった今回ですが

コロナ禍ということもあり、妻は里帰りせず(できず)

近所の助産院で出産することになりました。

そのため、一人目の出産の際にはあまりできなかった

『妊婦さんの身体の観察』が目一杯できたのです。


不思議なもので

出産前だと

周りに歩いている妊婦さんがなぜか目に入る。

出産後は

ベイビーを連れている人が目に入ってくるんですね。

あれ?こんなに妊婦さんやベイビーがいたっけ?

ってな具合に。

ついつい妻だけでなく

目に入る妊婦さんやベイビーを観察してしまいました。


妊婦さんを観察していて、また助産師さん看護師さんと話していて

今回は気づいた点、気になる点などについて書いてみました。

今後、出産を控えている妊婦さんや

出産に携わる方の、何かお役に立てればと思います。


『妊婦さんのための身体の使い方』

と言っても何か特別な

トレーニングなどをするわけではありません。

いつもそうですが

アレクサンダーテクニークでお伝えしたい身体の使い方は


余計な緊張をやめて


本体持っている自然な動きを取り戻す



ただ、妊婦さんは通常の身体的変化とは全く違い

胎児の成長と子宮が大きくなってくることで

身体が劇的に変化します。

それも短期間のうちに。

身体はびっくりですし

感覚も追いついていかないでしょう。

それほどの変化をしっかり理解し

さらに身体感覚としても理解した上で

身体を上手に使ってもらいたい。


妊婦さんに身体の使い方で意識をしてほしいこと


『 身体の変化を邪魔しない 』


妊娠したからと言って

現実的には身体を休められるかというと

そうもいかない。

買い物へ行ったり、家事に育児。

ギリギリまで仕事のを続ける方もいます。

ウチの長女は、出産前ではお母さんと遊べないストレス。

出産後は見事に「赤ちゃん返り」全開となりました。

以前よりの駄々っ子になったり、甘えたいので抱っこの時間が増えたり。

もう17kgもあるのに、毎日が筋トレです・・・

僕はまだ良いのですが、妻は大変です。


そんな中でも、ベイビーのため、

お母さんの身体のためにも

身体を上手に使って欲しい。

特に意識して頂きたいのは、

『体の変化を理解する』

そして変化していく身体を無理に留めておくのではなく

身体の変化を促すように『身体任せ』にできるのが良いでしょう。


『胎児の成長と子宮の増大』


どーも違和感を感じていた言葉があります。

「お腹、大きくなってきましたね〜」

間違ってはいないんですよ。

でも

お腹だけ?と思ってしまう。

確かにお腹の変化が特に目立ちます。

他人から見て、「お腹、大きくなりましたね〜」でもいいのですが

母親が「お腹」しか見ていない、意識していないのは

胎児と子宮の成長、母親の体調に良くないのではないだろうか。


上の図を見ると、胎児の成長とともに

子宮の面積が拡大してくるのが分かります。

特に前方の突出が大きいですが、それだけではありますん。

前後・左右・上下に大きくなっています。

出産前になると、体幹部分はもうパンパンに張っているという感じです。


胃腸などの内臓は 上 に 後 ろ に押しやられ、

押しつぶされたようになってます。

胃は圧迫されるので、

食べれない、食欲が出なくなるのは当然です。

横隔膜の下への広がりは制限され、

呼吸が浅くなります。

疲れやすい、息が切れやすいのも当然です。

膀胱など下腹部の内臓は、

骨盤の底の方に押しやられているのが分かります。

お通じや排尿の問題が出るのも当然です。

改めてみると、これほど身体の中で変化が起きているのが

ただただ驚きです。

身体ってこんなに変わることができるのですね。

女性の身体ってすごい!


女性の身体は、このように変化に柔軟に対応ができるようになっている。

男性より寿命が長いのは、

変化への対応力・柔軟性の違いにあるのかもしれないなんて思ってしまいます。




上の図のように、体幹部分は全方向に変化・拡大していきます。

妊婦さんには、ご自分の身体が広がっていく方向を理解し

身体を意識することをお勧めします。

とはいえ、身体を意識するってどういうことだろう?


急に身体を意識しようとしても、普段から身体を意識していない方は

感覚的に理解できるまで時間がかかります。

レッスンでは、徐々に身体感覚が養われていくのですが

ご自分でできることもあります。

 
「身体をさする」






お腹が大きくなると、無意識にお腹をさするようになるかと思います。

その際にお腹の赤ちゃんにも語りかけたりしますね。

ついでに、自分の腰や脇腹、みぞおち、お尻や股関節周りまわりを触れてあげましょう。

そして自分の身体にも語りかけてあげましょう

「柔らかく、大きく、伸びやかになっていくんだよ〜、変化を楽しもね〜」

てな具合に。

身体を意識すると、その意識の先にある部位は

反応し、活性化します。

「さする」ことでその触れた部位の触覚が刺激され

筋肉や細胞が応えてくれる感じです。

さらに刺激は脳に返ってきて、脳も活性化します。

もっと感覚的にいうと、

触れることで、自分の身体が戻ってきて、

そこにあると実感できるようになります。

足をさすれば、地に足がついている感覚がよみがえり、

腰・背中をさすれば、お腹を、赤ちゃんを支えてくれている

と感じられるでしょう。


身体の使い方教師をしている私としては、

出産で一番大事なのは、


赤ちゃんが元気に育つ環境を整えること


ではないかと思っています。

つまり母親の身体です。

赤ちゃんのことを大事に思うなら、

ご自分の身体もしっかり大事にしてもらいたい。


出産は本当に大変だと思います。

そばで見て居ることしかできない私に

なぜ女性が強いのかを教えてもらいました。

私に、あんな大きな塊が出てくることが耐えられるか・・・


残念ながら、出産を経験することはできない私が

言うのもおこがましいですが

新しい命が生まれる奇跡を、

自分の身体とともに楽しんでもらいたいと強く思いました。

特に現在は、コロナ禍と言う非常に大変な時期であります。

これから出産を予定しているには

くれぐれもご自分と赤ちゃんの身体に気をつけて

出産と、その後に控えている子育てを楽しんでもらいたいと切に願います。





さて、身体を整えるために

意識をするべき身体の使い方。

その中でも次の3点はお伝えしたい。

今後に期待・・・

1、姿勢

2、呼吸

3、身体の後ろ側を使う




コメント

このブログの人気の投稿

アレクサンダーテクニーク と 合気道 

私の最初のATレッスンをしてくれたマット先生の、 ATを習い始めたきっかけを 今でも覚えている。 合気道の師範をされていたお父さんが良いからと 勧めてくれたからだとおっしゃっていた。 合気道や剣道、その他武道をされている生徒さんとのレッスンの中での 武道における身体の使い方と、アレクサンダーテクニークのそれとの共通点が 非常に多くとても気になっていた。 せっかく日本にいるのだから、日本古来から継承されている武道における 身体の使い方を学びたいと徐々に思うようになり 8月より新しい学び「合気道」を始めました。 特に学びたい点は、「強さ」と「丹田」 まず、筋力に頼らない、身体の使い方による「強さ」を学びたい。 武道は対人であり、自分のことだけでなく相手も意識しなければならない。 合気道の場合で言うと、組手でしょうか 相手からの力の方向や、押さえ込む際の体のつながりやバランスなどを 感じながら、型を崩さないよう動く。 それはまさに、自分らしくある。と捉え方ができると思う。 相手に流されず、自分の力を十分発揮する。 この場合の自分らしさは、強さを引き出す最良の状態を保つ体の使い方とでも 言いましょうか。 武道だと型ですが、スポーツや楽器の演奏でいうと基礎練習。 始めて約2ヶ月の私は、基礎練習真っ只中。(週1では足りない・・・) その型の練習がとっても楽しい! 全身のつながり、動きのつながり、バランス、さまざまな要素を考え・感じながらの時間は 自分とじっくり向き合うことができる充実した時間になっています。 師範の動きを見ると、型の重要性がよく分かるので、 今のうちにしっかり体に叩き込んでおきたい。 そしてもう一つは「丹田」。 アレクサンダーではあまり下腹部の感覚にはふれない。 日本人ならほとんどが知っている丹田という下腹部の力は 動きや姿勢で重要視されている。 ただ、ほとんどの人がわかっていない。 正直に言うと、私も正確な感覚は分かっていないので ここでちょっとはっきりさせておきたい、と言う気持ちです。 合気道での気づきがすでにいっぱい。 またアップします!!

コリなくなる、痛みなくなる『からだの使い方』3つの意識 ② 「のびやかさ」

か ら だ 『 の び や か 』    身体は軽く 動きは スムーズ 身体の軸と、良い姿勢     「凝らない・痛みのない 身体」を目指し アレクサンダーテクニークをお伝えしている私が 凝りやすい・緊張しやすい生徒さんに絶対身に付けてほしい 凝らない・痛みのない身体になる    3 つの意識(身体感覚) 1、やわらかく 2、のびやかに 3、からだ全部で動く 今回のテーマは 「2、のびやかに」 背 骨 の 理 想  ってなんだろう? カイロプラクティックや整体では、主に背骨のアプローチをします。 背骨を整えることでコリや痛みが改善していく。 実際、僕も治療の際に背骨・骨盤の調整を行い その効果を実感している。 コリや痛みのない身体になるために 背骨はとても重要。 それならば 自分で、背骨を良い状態に保つことができれば 毎日が快適になるだろう。 いつも治療の後の背骨のようであれば・・・ 背骨へのアプローチは主に 「 歪 み 」 ですが、それだけではない。 実は 「 動 き 」 をチェックすることも非常に大事。 多少歪んだ背骨や骨盤でも 動いていればオーケーだったりします。 それよりも動いていない=機能していない場合の方が問題が多い その 「動き」 を保つためには 「 のびやかさ」 が必要というわけです 下の図は、よくある悪い姿勢(左)とのびやかな姿勢(左)です 右の図は上にのびやかになる方向で バランス良く立っています。 しかし、左では 顎が上がり、後頭部は下がり 背中は丸く、腰は反り気味に 骨盤は後傾し 全体が下に落ちて 後ろに傾いています。 見た目にも全体が短くなっているように見えますが このような場合の背骨は、 歪んで そして 潰れて 固まって います。 のびやかになる「背骨」 背骨が、歪んで、潰れて、固まることがないよう 普段からどのようにすればよいか。 ストレッチのように身体を曲げて伸ばすのは少し違います。 主なターゲットは筋肉ではない。 今回のターゲットの背骨を、縦に伸ばしていきたい のびやかといえばダンサーだが バレエ・ダンサーの姿勢によく使われる表現ではどうだろう 「頭が上から吊られて」 「背筋をピンと伸ばして」など これらも結局筋肉の緊張によるものが強く 疲れやすい。 ラクに、 良い姿勢とバランスを維持することも求めたい 余計なコリや痛みが出てしまわ

コリなくなる、痛みなくなる『からだの使い方』3つの身体意識 ①「やわらかく」

  凝らない身体、痛みのない毎日だったら もっと人生が楽しくなる  「凝らない身体」を目指し アレクサンダーテクニークを伝えている私が 凝りやすい・緊張しやすい生徒さんに絶対身に付けてほしい 凝らない身体になる    3 つの身体意識 凝り(緊張) は非常に強いストレスです。 痛みや、ときには病気の原因にもなりうる。 マッサージ師として活動していた時代(今もしていますが)は そんな 凝り(緊張) のために 慢性的な痛みや不調に悩む患者さんを 数多く診てきました。 そんなストレスから皆さんを解放したい! そんな私が いつもレッスンで生徒さんにお伝えしている 特に大事な3つの身体意識を紹介したい。 実践できるようになると 首・肩こり、腰痛をはじめ 様々な痛み、不調の予防や改善 ついでに姿勢の改善も 自分でできるようになります。 ぜひ 毎日の動き に追加していただきたい。 凝らない身体になる 3 つの身体意識 1、やわらかく 2、のびやかに 3、からだ全部で動く この3つの意識は身体を機能的・効率的に 動かすために必要な要素 その人の身体のタイプによってどの部分を 特に重視するかは多少違いますが やはり3つあると 身体全部がまとまる 今回はテーマは 1、やわらかく  身体を使う 「やわらかければ、凝らない」 凝り(緊張)は 硬くなっている状態です。 それがやわらかく 緊張がほぐれていれば コリや痛みを感じない、良い状態になります。 特に首・肩・腰などの凝り(緊張)に悩む人には 身に付けてほしい一番大事な身体意識。 マッサージなどでほぐしもらって やわらかくするのではなく マッサージが必要無いように 身体に対して意識を向けることで 常に ほぐれた やわらかい 状態でいるようになってほしい。 うまく チカラが抜けている 状態とも言えます。 「余計な緊張をやめる」ことを目的としている アレクサンダーテクニークでは まず身につけるべき感覚です。 姿勢や骨格の歪みを考えたり ボディマッピングなどを意識するより もっと重要です。 形から入ったり スキルにこだわると 逆に緊張を強めてしまうこともあるので気をつけましょう。 やわらかく使うのは 主に筋肉の緊張に対してのように思えるが それだけでは本当の 「やわらかさ」 は 手に入りません。 1つ1つの関節の動きや 関節を構成する靭帯や軟部