スキップしてメイン コンテンツに移動

フレデリック・マサイアス・アレクサンダー(Frederick Matthias Alexander) その1

                                                              (Google imageより)

今回はアレクサンダー・テクニークの創始者、F M アレクサンダーについて紹介したい。



アレクサンダーは、1869年にオーストラリアのタスマニアに生まれた。

幼少期は呼吸器系疾患に苦しんでいたが、9歳の頃から健康が回復し、乗馬と、

そして演劇をこよなく愛するようになる。お気に入りはシェークスピア。

 16歳で地元を離れると、仕事をしながら音楽や演劇を独学で学び、ついに19歳で

メルボルンにて演劇と音楽のトレーニングを受ける。

20代前半には俳優と朗唱者としてすばらしい名声を得ていくのであった。

順調にキャリアを積み重ねていっているようにみえるが、

実は彼は大きな問題を抱えていた。


朗唱中に声がかすれる。


朗唱中以外は声はかすれる事が無い事に気づいた彼は、パフォーマンス前に

十分に声を休めるなど、いろいろとケアしてみたものの、

ついには半分ももたなくなってしまった。

医者に行っても、声を休めるよにと言うばかりで解決策は無く、途方に暮れていた。

そこで彼は決心する。


自分で責任を持ち、自分で治す。


そう決意したアレクサンダーは、どうしたかというと、

鏡の前に立ち、自分の「使い方」を観察し始めた。

三面鏡の前で、毎日、何時間も自分を観察したのである。

  自分で責任を持つと決意したこの部分は、特に好きな部分である。
  アレクサンダーの忍耐力、観察力、洞察力、そして強い決意には敬服する。 
  なにより他力本願ではなく、やはり自力がいい!!
  なぜなら筋肉や関節、神経、もちろん脳機能は使わなければ衰える。
  正しく程よく使い続ければ良い状態をキープできる。
  マッサージでは筋緊張はほぐれはするが、やはり次第に筋力は
  弱くなってきてしまう。



観察を続けていくうちに、アレクサンダーは3つの自分の癖に気付いたのである。

1、首を硬くして、頭(特に後頭部)が引っ込んでしまう事

2、喉頭(のど)を過剰に押し下げてしまう。さらに喘ぎながら息を吸い込んでいた。

3、せりふが難しくなると、このパターンが極端になってしまう。

(1・2のパターンは日常的にほんの僅かだが現れていた)

  姿勢でいうと、首をすくめ、顎が上がり、緊張が首全体・さらには
  顎周辺や胸・背中にも広がってしまっている感じだろう


アレクサンダーは、1・2のような悪い自分の「使い方」のパターンを、

直接的、意識的努力によってその悪いパターンを予防することに成功したのである。

次第に声の質が改善されていき、さらに医者からも、咽頭の状態は良くなってい

ると確認された。

これによって、アレクサンダーは確信する。


自分の「使い方」が自分の機能に実際に影響する。



だが、これからアレクサンダーの原理を構築していくにあたって、

さらなる悪い自分の「使い方」に直面していくのである。

(BODY LEARNING より)


続く…



  直接的、意識的努力による予防とは、
  ただ見た目だけの変化と言えるだろう。つまり、姿勢をそれっぽくしただけ。
  まだこの段階ではアレクサンダー・テクニークとは言えない。
  ここでは首をすくめ、頭を押し下げるのを、首を長く保つことで
  改善しただけであろう。
  それでは本当の改善では無いことに気づく・・・ 
  ここからアレクサンダーの奥深さと難しさと、素晴らしさが
  開発されていくのである。




ぽちっとお願いします!
ポチッとお願いします! にほんブログ村 健康ブログ アレクサンダー・テクニークへ
にほんブログ村

コメント

このブログの人気の投稿

アレクサンダーテクニーク と 合気道 

私の最初のATレッスンをしてくれたマット先生の、 ATを習い始めたきっかけを 今でも覚えている。 合気道の師範をされていたお父さんが良いからと 勧めてくれたからだとおっしゃっていた。 合気道や剣道、その他武道をされている生徒さんとのレッスンの中での 武道における身体の使い方と、アレクサンダーテクニークのそれとの共通点が 非常に多くとても気になっていた。 せっかく日本にいるのだから、日本古来から継承されている武道における 身体の使い方を学びたいと徐々に思うようになり 8月より新しい学び「合気道」を始めました。 特に学びたい点は、「強さ」と「丹田」 まず、筋力に頼らない、身体の使い方による「強さ」を学びたい。 武道は対人であり、自分のことだけでなく相手も意識しなければならない。 合気道の場合で言うと、組手でしょうか 相手からの力の方向や、押さえ込む際の体のつながりやバランスなどを 感じながら、型を崩さないよう動く。 それはまさに、自分らしくある。と捉え方ができると思う。 相手に流されず、自分の力を十分発揮する。 この場合の自分らしさは、強さを引き出す最良の状態を保つ体の使い方とでも 言いましょうか。 武道だと型ですが、スポーツや楽器の演奏でいうと基礎練習。 始めて約2ヶ月の私は、基礎練習真っ只中。(週1では足りない・・・) その型の練習がとっても楽しい! 全身のつながり、動きのつながり、バランス、さまざまな要素を考え・感じながらの時間は 自分とじっくり向き合うことができる充実した時間になっています。 師範の動きを見ると、型の重要性がよく分かるので、 今のうちにしっかり体に叩き込んでおきたい。 そしてもう一つは「丹田」。 アレクサンダーではあまり下腹部の感覚にはふれない。 日本人ならほとんどが知っている丹田という下腹部の力は 動きや姿勢で重要視されている。 ただ、ほとんどの人がわかっていない。 正直に言うと、私も正確な感覚は分かっていないので ここでちょっとはっきりさせておきたい、と言う気持ちです。 合気道での気づきがすでにいっぱい。 またアップします!!

コリなくなる、痛みなくなる『からだの使い方』3つの意識 ② 「のびやかさ」

か ら だ 『 の び や か 』    身体は軽く 動きは スムーズ 身体の軸と、良い姿勢     「凝らない・痛みのない 身体」を目指し アレクサンダーテクニークをお伝えしている私が 凝りやすい・緊張しやすい生徒さんに絶対身に付けてほしい 凝らない・痛みのない身体になる    3 つの意識(身体感覚) 1、やわらかく 2、のびやかに 3、からだ全部で動く 今回のテーマは 「2、のびやかに」 背 骨 の 理 想  ってなんだろう? カイロプラクティックや整体では、主に背骨のアプローチをします。 背骨を整えることでコリや痛みが改善していく。 実際、僕も治療の際に背骨・骨盤の調整を行い その効果を実感している。 コリや痛みのない身体になるために 背骨はとても重要。 それならば 自分で、背骨を良い状態に保つことができれば 毎日が快適になるだろう。 いつも治療の後の背骨のようであれば・・・ 背骨へのアプローチは主に 「 歪 み 」 ですが、それだけではない。 実は 「 動 き 」 をチェックすることも非常に大事。 多少歪んだ背骨や骨盤でも 動いていればオーケーだったりします。 それよりも動いていない=機能していない場合の方が問題が多い その 「動き」 を保つためには 「 のびやかさ」 が必要というわけです 下の図は、よくある悪い姿勢(左)とのびやかな姿勢(左)です 右の図は上にのびやかになる方向で バランス良く立っています。 しかし、左では 顎が上がり、後頭部は下がり 背中は丸く、腰は反り気味に 骨盤は後傾し 全体が下に落ちて 後ろに傾いています。 見た目にも全体が短くなっているように見えますが このような場合の背骨は、 歪んで そして 潰れて 固まって います。 のびやかになる「背骨」 背骨が、歪んで、潰れて、固まることがないよう 普段からどのようにすればよいか。 ストレッチのように身体を曲げて伸ばすのは少し違います。 主なターゲットは筋肉ではない。 今回のターゲットの背骨を、縦に伸ばしていきたい のびやかといえばダンサーだが バレエ・ダンサーの姿勢によく使われる表現ではどうだろう 「頭が上から吊られて」 「背筋をピンと伸ばして」など これらも結局筋肉の緊張によるものが強く 疲れやすい。 ラクに、 良い姿勢とバランスを維持することも求めたい 余計なコリや痛みが出てしまわ

コリなくなる、痛みなくなる『からだの使い方』3つの身体意識 ①「やわらかく」

  凝らない身体、痛みのない毎日だったら もっと人生が楽しくなる  「凝らない身体」を目指し アレクサンダーテクニークを伝えている私が 凝りやすい・緊張しやすい生徒さんに絶対身に付けてほしい 凝らない身体になる    3 つの身体意識 凝り(緊張) は非常に強いストレスです。 痛みや、ときには病気の原因にもなりうる。 マッサージ師として活動していた時代(今もしていますが)は そんな 凝り(緊張) のために 慢性的な痛みや不調に悩む患者さんを 数多く診てきました。 そんなストレスから皆さんを解放したい! そんな私が いつもレッスンで生徒さんにお伝えしている 特に大事な3つの身体意識を紹介したい。 実践できるようになると 首・肩こり、腰痛をはじめ 様々な痛み、不調の予防や改善 ついでに姿勢の改善も 自分でできるようになります。 ぜひ 毎日の動き に追加していただきたい。 凝らない身体になる 3 つの身体意識 1、やわらかく 2、のびやかに 3、からだ全部で動く この3つの意識は身体を機能的・効率的に 動かすために必要な要素 その人の身体のタイプによってどの部分を 特に重視するかは多少違いますが やはり3つあると 身体全部がまとまる 今回はテーマは 1、やわらかく  身体を使う 「やわらかければ、凝らない」 凝り(緊張)は 硬くなっている状態です。 それがやわらかく 緊張がほぐれていれば コリや痛みを感じない、良い状態になります。 特に首・肩・腰などの凝り(緊張)に悩む人には 身に付けてほしい一番大事な身体意識。 マッサージなどでほぐしもらって やわらかくするのではなく マッサージが必要無いように 身体に対して意識を向けることで 常に ほぐれた やわらかい 状態でいるようになってほしい。 うまく チカラが抜けている 状態とも言えます。 「余計な緊張をやめる」ことを目的としている アレクサンダーテクニークでは まず身につけるべき感覚です。 姿勢や骨格の歪みを考えたり ボディマッピングなどを意識するより もっと重要です。 形から入ったり スキルにこだわると 逆に緊張を強めてしまうこともあるので気をつけましょう。 やわらかく使うのは 主に筋肉の緊張に対してのように思えるが それだけでは本当の 「やわらかさ」 は 手に入りません。 1つ1つの関節の動きや 関節を構成する靭帯や軟部