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身体の「軸」のクオリティー


「パスタの茹で加減は、アルデンテ!

        身体の軸もアルデンテ!!」


なんて、ピラティスのインストラクターをされている生徒さんと話していたので

今回は『身体の軸のクオリティー』の話。


最近、100m走にハマっていた(実際には走りません…)僕が、

頻繁に「身体の軸」の事を書いていました。

分かりやすく表現するために、矢印→を使っていましたが、

実は心配がありました。

矢印→で表現してしまうと、意識として棒や針金のような硬いもの

→をイメージしてしまいそうで。


レッスン中に「上を意識して(think up)」と言うと、

身体が硬くしてしまう方がいます。

背筋をピンッと、って感じです。

悪い癖ってやつなんですが、

これが結構困りものなんです。

確かに見た目の姿勢は良くなるのですが、柔らかさを失ってしまうからです。

アレクサンダーテクニークが求めているところは、ソコではありません!

「柔らかく、そして伸びやか」です。

その為に、軸、そして意識のクオリティーは非常に大事なのです。


例えば、

(座っていても、立っていてもいいですが)

身体のセンターを意識してみてください。

身体の中心。

骨盤の中から上半身を通り、頭を抜けて天に伸びるような。

最初は、

「硬い棒のような矢印が、身体の中心を抜けて空に伸びている」

と意識してみてください。



どーでしょう?

軸の感覚は出ましたか?

(普段から身体に意識を向けていない方は、ちょっと難しいかも)

では、次に

「身体の中に湯気が湧いて出てきて
  
  身体の中を通り、頭を抜けて、湯気が空にフワ〜〜〜っと広がる」




いかがでしょう?

身体が軽くフワっと浮くような感じになりました?


レッスン中に「軸」にばかりに意識を強く向けると

逆にそれが生徒さんの身体に余計な緊張をもたらしてしまう場合が

多々あります。

そんな時は

まず、一旦意識することをやめてもらいます。

慣れない方が、すぐに意識の質を変えることは難しい。

もしくは、意識をもっともっと軽めにしてもらいます。

僕の師匠のボブだったら「Easy ,easy,easy…」と言ってるとこです。

もしくは、意識を柔らかそうなものに例える。

それが、「湯気のようなに…」なんです。

イメージは身体の緊張を和らげてくれるようなものでしたら

正直何でもいいと思っています。

たとえばアルデンテとか・・・

アルデンテは、パスタの中心にほんのり芯が残っていて、歯ごたえのある。

それでいて、周りは柔らかく、クネクネ動くことも可能。

イメージはとても身体に影響を与えます。

僕のアレクサンダーの先生方は、いつも良いイメージだったり

無駄な力が抜けるような言葉をかけてくれ、

とても心地が良いポジティブな方向に導いてくれました。

決してネガティブなことは言わない。

「硬いですね〜、緊張してますね〜、ここの動きが悪いね〜。」

以前はマッサージ師として普通に使っていた言葉が

お客さんを悪い方向に導いていたんだなと、後悔しました。



さて、100m走に戻りましょう。

軸がまっすぐでなくてもいい例を見つけたので紹介した。

こちらは、ウサイン・ボルトの走りを分析した画像です。(ちょっと古い…ですが)




決してまっすぐではない軸で、他の選手よりも軸(背骨)の動きがあります。

ここで、改めて100mの決勝を見てみましょう。


ここに注目して欲しい!!
 
胸の動き

・首が自由であり、走りとは別の動きになっている




青のユニフォームのトップを走るガトリン選手は、

頭を中心に前後に城帯を揺すりながら加速させているのが分かります。

対して、ボルト選手は、胸の動きを中心に上半身を前後左右に

揺らしながら加速していってます。

それでいて、背骨の一番上に頭が乗っているだけで、頭の動きの自由さも見える。

一致している点は、

両選手共に伸びている軸の方向は、あくまで  上 であることには変わりない!


ボルト選手は側湾症であるというのは有名な話だが、

基本的には身体の柔軟性と全身の伸びやかさが半端ない!

そして、足の運びを見ると他の誰よりも大きくしなやかに動いている。

動き全般のスケールが違うというか。

他の選手には真似できない走りだと思う。



ピラティスをする方は、体幹や軸を意識するあまり、それが余計な

筋緊張になってしまう。

それが、結果として首や腰を痛める原因になってしまう。

軸というもののイメージがアルデンテのようなおいしそうな…

ではなく、芯はあるけれど、柔軟性もあるような、そんな軸であり、身体であり。

コア・マッスルを含めた身体全部の筋肉を総動員してエクササイズができることが

怪我の予防にもなり、パフォーマンスの向上になる。

今回はそんなお話でした。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Yoshi



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